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優秀な人材確保のために選考を重ね、多くの手間と労力を費やしてようやく内定を出したのに、内定を辞退されてしまうと企業にとって大きなダメージになります。
売り手市場の採用現場では、優れた人材にいくつものオファーがあるのは当然とも言えます。
企業の将来に大きな影響を与える人材採用において、内定辞退への対策は不可欠です。
ここでは、内定辞退の原因を探りながら、その対処や回避方法について考えていきます。
内定辞退の理由
内定辞退を防止するためには、辞退する側の心理を理解しなければなりません。
エン・ジャパンが2016年に行った調査によると、辞退理由のNo.1は「希望と異なると判断した」、「希望に反したスカウトメールだった」が同率で並んでいます。
求職者の多くは複数の企業に応募しており、内定をもらった時点で再検討を始めます。
その結果、自分の希望に合わないと判断すると、辞退に至ります。面接後に内定を辞退する理由としては、「仕事内容が希望と合わなかった」というものが多いようです。
企業から送られてくるスカウトメールも、希望にそぐわない分野からのオファーであることが辞退の理由に多く挙げられています。
明らかに同一の文章で「複数の求職者に送られている」と考えられることにも不満の声が聞かれました。
こういった内定辞退は、「開示情報と現状の相違」、「企業の強みや魅力の乏しさ」が原因になっていると考えられます。
魅力的な会社案内を作成しても、面接後に「企業そのものの魅力」を再検討された際に、誘因力が欠如していれば内定を辞退されてしまいます。
そのほか、「内定を与えた」と企業側が安心してしまい、その後のフォローを怠ることで、結果的に人材を逃してしまうケースもあります。
内定辞退が企業に起こす問題
応募者の内定辞退は、企業に多くの損失をもたらします。
これは新卒者に限った話ですが、2017年における内定辞退の51.8%は「6月の1カ月間」に集中して発生しています。
企業にとっては、春から始動していた採用計画に大きな狂いが生じることでしょう。
新人研修や人員配置にも影響します。
社員の採用には、時間、人件費、求人媒体への出稿コストなど、多くの負担が発生します。
しかし、内定を辞退されると、これらがすべて無駄になってしまいます。
最初から採用活動をやり直すことで、採用担当者の時間が奪われ、実務的・経済的なダメージが重なっていきます。
内定を決めた採用担当者に徒労感といった精神的ダメージが残る可能性も高くなります。
内定辞退が起きたときの対処法
内定辞退が起きたとき、企業側は該当者に対してどのような態度で臨むべきなのでしょうか。
採用する側としては何とか翻意を促したいところではありますが、この場合も「誠意ある対応」を忘れないようにしなければなりません。
高圧的になったり無理に入社を迫ったりするのは、「今後の会社のためにならない」と心得てください。
自社の採用事情について真摯に語り、応募してくれたことに対して改めて謝意を伝えます。
そのうえで、今後の採用活動のヒントを得られるように協力を依頼してみます。
内定を辞退したことに多少なりとも申し訳なく感じていれば、相手も無下には断らないはずです。
まだ迷いがあるのであれば、真摯に対応をしていくうちに辞退を撤回できる可能性もあります。
相手とのコミュニケーションが良好であれば、「最終的にどこに決めたのか」、「その理由は何か」、「当社が改善すべき点は何か」の3点をメインに聞き出します。
就職先の社名の公表を拒否された場合は、業種や企業規模だけでも構いません。
もちろん、内定辞退者から得られた回答は社外秘として扱い、今後の採用活動の参考として利用することの了解をとっておく必要もあります。
内定辞退は非常に残念なことですが、今後の採用活動に役立てられる、価値ある情報を得られる機会、と前向きに捉える必要もあります。
内定辞退が起きないようにするには?
内定辞退を阻止するために、企業が取るべき行動としては以下のようなものが挙げられます。
就職活動、他社の選考状況についての情報収集
自社の魅力の発信
入社へのモチベーションの維持
迅速・丁寧な通知を行う
採用した理由、(内定者の)人材としての魅力を伝える
入社の意志を確認する
内定後のフォローについて戦略を練る
周囲の状況を丹念に情報収集し、自社の採用活動に活かせるような工夫を凝らす必要があります。
同時に、自社の魅力を磨き、応募者に向けて情報を発信していかなければなりません。
自社で働く姿を具体的にイメージできるような、情報の提示が理想的です。
重要なのは、内定者に対するフォローと選考結果の伝え方です。
「人材としての魅力」と「企業側の期待」をしっかりと伝え、入社への意欲を高められるようにします。
定期的にコンタクトを取り、イベントへの招待や社員とのふれあいの場を提供するなど、内定後のフォローに向けた戦略を練っておくことも重要です。
内定辞退を回避する最も大切なポイントは、会社と内定者の個人的な信頼関係の構築です。
緊密な関係が築ければ、入社目前で逃げられてしまうケースは少なくなります。
企業側の誠実な姿勢、内定者に対する本気度が、辞退という最悪の結論を遠ざけてくれるはずです。
まとめ:怠慢と油断が内定者の流出を招く
内定辞退は、企業の人事担当者として避けなければならない事態です。
内定辞退の理由の多くは、「希望と違っていた」という声です。
応募したときには少なからず入社の希望をもっていたはずなのに、どの時点で意欲を失ってしまうのでしょうか?
そこを突き止めていかなければ、また同じことが起きないとも限りません。
「ここで働きたい」という気持ちを持続できるように、内定者一人ひとりに対して、入社までのフォローが求められます。
「採用してやった」という怠慢な気持ちが油断を招きます。
将来を有望される人材を確実に獲得していくためには、採用活動を常に振り返りながら、内定者を入社まで導く工夫が必要になります。
参考:
内定辞退を防ぐには? 分析・初期対応・フォローの連携でより効果的な対策を実現|戦略人事マガジン「HR REVIEW ~人事から変える、企業の未来~」