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新卒入社のうち約3割が3年以内の早期離職をすると言われる昨今、採用にコストと時間をかけて入念な準備のもとでせっかく社員を確保しても、いつまでも人材が定着しないのでは企業運営が危ぶまれます。
社員が企業に定着し、安定した労働力を得られることは企業成長の重要な条件です。今回は、定着率と離職率の関係、定着率をアップする方法について解説していきます。
定着率とは
定着率とは、ある一定期間内に「入職して離職していない人」の割合を指します。なお、厚生労働省では、離職率については定義していますが、定着率についての明確な定義はありません。
定着率が下がれば人材が流出していることになり、採用のコスト、業務の効率性に悪影響が出ます。
企業としては定着率が高いほど会社のイメージが良くなり、人材の採用にも好影響を与えます。
逆に定着率が低いと、人使いが荒い、労働環境が良くない、などの「何らかの問題がある会社」という印象を持たれ、企業活動にも支障をきたしかねません。
定着率と離職率の関係性
定着率は「就職した人が辞めずに残っている割合」なので、定着率が上がれば離職率は下がるという裏表の関係にあります。
まずは、定着率と離職率の数値を算出する方法から見ていきます。
・離職率=(一定期間を通して離職した人数)÷(一定期間開始時点の従業員数)×100
・定着率=(一定期間を通して残った従業員数)÷(一定期間開始時点で雇用された従業員数)×100
それぞれの値は上記のような計算式で導き出されます。
また、一般的に、定着率は「100から離職率を引いた数値」でも問題ないとされています。
ここでポイントとなるのが、「一定期間」の考え方です。
企業が離職率や定着率を公表する場合に、厳密な定めはありません。
そのため、年末年始を挟んだ人の動きの少ない期間を利用すると、良い数値を出すことも不可能ではありません。
なお、公式な離職率の算出で計算に用いられる「一定期間」は、厚生労働省では「1年間」、中小企業庁では「3年間」とされているようです。
定着率を上げるには?
定着率の向上は、会社の規模にかかわらず大きな課題となっています。
定着率の改善に関わる施策としては、次のようなものが挙げられます。
コミュニケーションの向上
従業員の不満の明確化、改善策の具体化
課題の掘り起こし
社員満足度調査の実施
就業規則の見直し
従業員の「孤立感」と「定着率」には大きな関連性があると言われています。
個人的に何か課題を抱えたときに、相談できる相手がいることや、連帯感を持てるグループ内に所属していることが離職の歯止めとなります。
コミュニケーションを向上させる仕組みづくりを推進することも、業務効率を高め、離職率を低下させます。
「従業員が定着しない」とただ嘆いていても、根本的な課題が改善されなければ状況は変えられません。
従業員の不満を明確にしていくためには、匿名による社員満足度調査といったことを実施し、課題を掘り起こしていく必要があります。
その結果に応じて、就業規則の見直しのような、具体的な改善策を見い出さなければなりません。
事例紹介
最後に、定着率(離職率)の改善に成功した企業の例をいくつか紹介しておきましょう。
サイボウズ:離職率28%から4%へ激減
IT業界は人材の動きが激しいことで知られていますが、サイボウズでは人事制度の刷新により、それまで28%あった離職率を4%まで下げることに成功しました。
そのポイントは、従業員が自ら考える、ボトムアップ型の人事制度です。
さらに、在宅勤務制度、成果や生産性を重視するウルトラワーク制度などにより、柔軟性の高い働き方が実現されています。
カネテツデリカフーズ:入社3年以内の離職率50%を改善
創業90周年を超える老舗企業、カネテツデリカフーズでは、企業風土の大きな転換により離職率の改善を成功させています。
「見て覚えろ」という前時代的な企業文化から、マンツーマン制度を取り入れた新人の徹底教育体制へと方向性を変えたことでスキル・ノウハウの伝達、コミュニケーションの円滑化が促進しました。
これにより、新人側と教育側の双方に育成効果がもたらされました。
レオパレス21:有休取得率向上でモチベーションアップ
離職率の高さで知られる不動産業界のなかにあって、わずか3年のうちに業界水準をはるかに下回る離職率を得ているレオパレス21。
ポイントとなったのは、「支店長クラスの意識改革」でした。
部門や立場によってさまざまな研修を導入し、マネジメント能力の向上を図ったところ、現場の指揮者である層の仕事への意識に変化が現れます
。労働時間への評価から、短時間で成果を上げることへの評価へと視点が変わり、1人当たり月6時間の業務時間短縮、有休取得率が34%から70%という結果につながりました。
まとめ:「なぜ辞めるのか」を把握できていないと、定着率は上げられない!
定着率が上がれば、当然ながら自動的に離職率が下がり、貴重な社員を失わずに済むようになります。
採用や教育のコストが軽減され、企業の力は底上げされます。定着率の向上は、企業が着実に成長していくために必ず成し遂げなければならない命題です。
それを実現していくためには、「なぜ社員がいなくなるのか?」を正しく把握し、解決策を見出していく必要があります。
社員が「いつまでも働きたい」と思う企業にするには、いま何をすべきなのか?
徹底的な検証が求められます。
参考:
離職率改善の秘訣とは?離職率を大幅に改善した5社の事例紹介|HR NOTE
離職率と定着率の意味や定義、計算方法とは?自社の離職率との向き合い方|mitsucari
離職率の低いスターバックスが従業員に徹底している5つのポイント|リクナビNEXTジャーナル
要約文:
採用にコストと時間をかけ、入念な準備のもとで社員を確保しても、人材が定着しないのでは企業運営が危ぶまれます。
社員が定着し、安定した労働力を得られることは企業成長の重要な条件です。
定着率と離職率の関係、定着率をアップする方法について解説していきます。